会社と異なる看護師の価値観
看護師が医療機関で働いてから、会社に転職することはしばしばあります。自分の適性を考えていることもあれば、夜勤などがない職場を求めて定時で働ける会社を選ぶこともあって動機はさまざまでしょう。しかし、そのときに多くの看護師がギャップを感じるのが、仕事に対する価値観の違いです。医療機関で働いてきた人にとって仕事はサービスであり、相手の満足を求めるのが最大の目的となっています。それが評価されて自分の喜びにもなり、また新たに頑張ろうという気持ちが生まれるのです。
会社でも接客を主とする仕事に携わる場合には、似たような面があるのは確かでしょう。しかし、それは上辺だけのものであって、根底にあるのは利益を上げることです。サービス重視から利益重視に価値観を切り替えなければならないものの、そのギャップを埋めるのに苦労する人は少なくありません。サービスを重視するがために、コストや時間をかけすぎてはならないという考え方がなかなか受け入れられず、他の人に遅れを取ってしまいがちになるのです。
このような価値観の違いがあるのに気づかないまま過ごしてしまう人も珍しくありませんが、自分が会社で評価されていないことが分かるとその事実を認識するでしょう。医療機関で培ってきた経験は会社で生かせる場合がよくあるものの、育んできた考え方はしばしば障害になり得るという認識は持っておくといいです。会社に転職する看護師にとって、サービスよりも利益を重視する考え方を受け入れるのは大切なこととなります。